ドライアイとはどんな病気
近年、パソコンやスマートフォンなどのモニターを見ている時間が長くなったことで急増してきている病気です。
涙の量が減ったり性質が変化したりして角膜に異常が起きて種々の症状を発症します。
日本では1000~2000万人のドライアイ患者さんがいらっしゃると言われています。
男女比では女性に多くホルモンと関係しているとも言われています。
また高齢になるにつれ涙液量が減少するため加齢によっても発症したり悪化したりします。
ドライアイの症状
しょぼしょぼする、見えにくい(かすむ、だぶって見える、ピントが合いにくい)、乾燥感がある、ゴロゴロする、痛い、痒い、起床時に眼を開けにくい、まぶしい、眼が疲れる、充血している、コンタクトの装用感が悪い、涙が出るなどの不快感があります。
ドライアイの原因
涙は角膜という茶目と黒目を覆っている透明な組織の上に常にのって角膜を潤しています。
結膜という白目の粘膜にも栄養を与えています。
涙は3つの層でできていて、角膜のすぐ上に涙を吸着させるためのムチンという層とその上に水分、さらにその上に油膜となる油の層があります。
涙の3層構造のバランスが悪くなったり量が減ってしまうとドライアイを発症します。
コンタクトレンズ(特にソフトコンタクトレンズ)を装用していたりディスプレーを長く見ていたりすると発症したり悪化しやすいと言われています。
ドライアイの検査と診断
涙液量を測定するには専用の濾紙をまぶたに5分挟んで測定するシルマー試験を行いますが、簡単にはフルオレセインという染色液を使用して下眼瞼にたまっている涙液量を測る方法もあります。
正常ですと下眼瞼に0.2mmほどの涙がたまっていますが、ドライアイの方はそれ以下となっていることが多いです。
また涙液の3層構造のバランスが悪くなると瞬きして涙が角膜に乗った後、縞状に涙の層が破たんしていく時間が短くなります。
10秒間瞬きをしてから目を開けていられるかテストしてみて下さい。
ドライアイの治療方法
軽症の場合は点眼薬で症状はかなり改善します。
ヒアルロン酸製剤や人工涙液、ムチンと水分を産生促進させるジクアホソルナトリウムまたはムチンを産生するレパミピドを併用して角膜表層の炎症やドライアイそのものの自覚症状を減らします。
大切なのは自覚症状が軽快しても点眼薬を止めないことです。
点眼薬は症状を和らげるためのものでドライアイそのものを完治させる薬ではないからです。
点眼薬にても改善しない重症なドライアイの場合は涙点という涙の鼻腔への流れ出し口にシリコン製やコラーゲン製のプラグを挿入して涙を結膜に温存させる治療をすることもあります。